東京漢方薬局 香港堂

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎

西洋医学では、脂漏性皮膚炎の治療に主にB群ビタミン、レチノイド類、またはステロイドを内服や外用として使用します。短期的な効果は確認されていますが、長期にわたる使用は薬物依存性を形成し、薬を止めると反動が起こる可能性があります。

東洋医学の
考え方

顔に出る脂漏性皮膚炎は、中医では「面游風」と類似しています。『医宗金鑑・外科心法要訣』によれば、この症状は顔に出現し、初めは顔が腫れて痒みがあり、次第に皮膚が乾燥して白い鱗のような病変が出てきます。その後、痒みがひどくなり、掻き壊してしまうと、炎症がある場合は黄色い液体が出ることがあります。

治療には、蛇胆苦柏爽肤洗液という外用液がよく使われます。この液体は皮膚炎や湿疹に特化した抗菌剤で、上皮細胞の分化と成長を促進し、基底細胞を増殖させ、皮脂腺の過度な角化を抑制します。また、皮脂の分泌を減少させ、痤疮丙酸桿菌を除去し、炎症反応と皮膚の免疫機能を調節します。この液体は蛇胆、苦参、黄柏、穿山甲、穿心蓮、大黄、蛇床子、白藓皮、乌梢蛇、白花蛇、苦楝皮など30種類以上の中薬から作られており、肺を清める、風を除く、脾を健全にし、湿気を取り除く作用があります。

当薬局では患者様一人ひとりの状態に応じて漢方をおつくり致します。

臨床論文

目的:面部脂漏性皮膚炎の60例における中医による診断と治療の臨床効果について調べた研究

1.1 一般資料
研究期間:2016年9月〜2017年4月
対象者:60例(コントロール群30例、介入群30例)
各群の年齢や病期は統計的に差異はない(P>0.05)

1.2 治療方法
コントロール群(西洋医学):ビタミンB6(口服、毎回10mg、一日3回)、ケトコナゾールクリーム(外用、一日2回)、2週間の治療
介入群(中医):風盛血燥型と湿熱蕴結型の2つのタイプに対して異なる漢方処方、一日1回、分けて朝晩に服用、2週間の治療

1.3 临床観察指標
皮疹の消失、痒みの改善、皮脂分泌の正常化などに基づいて効果を評価

2.1 臨床効果比較
介入群(中医)の全体の効果率は96.7%で、コントロール群(西洋医学)は80.0%(P<0.05で有意)

2.2 副作用
介入群は唇の乾燥1例のみ(発生率3.3%)
コントロール群は5例で皮膚の落屑、唇の乾燥、2例で胃部不快(発生率23.3%)、(P<0.05で有意)

 

参照組:コントロール群

研究組:介入群